橋本隆志
株式会社八代目儀兵衛 橋本隆志
京都七条に庄屋の八代目として生まれ
先代より引き継がれた味覚をもつ若手米鑑定士。
京の料理をこよなく愛し、全国の米愛好家の方々に、お米に対する熱いおもいを
たっぷりにおいしさを表現し日々研究しつづけています。
森社長様
有田焼窯元職人 森義久様
従来の有田焼はもちろんのこと、
IH対応の遠赤釜を始め多種多彩な陶磁器を創出されている窯元。
佐賀県の県事業にも積極的に参加されてます。

<土鍋釜Bambooの秘密>土もブレンド。計算されつくした科学の土鍋釜

橋:
お久しぶりです。 最初にお引き合わせ頂きましたのは何年前でしたか?
森:
そうだねぇ。食味鑑定士協会だった時かな?
あれから5年も経つんよね。
橋:
5年ですか…。気が付けば、ついにオリジナルの釜まで作ってしまいましたね(笑)
森:
橋本さんにはずいぶん苦労させられましたわ(笑)
橋:
(笑)今日はそのあたりの話も踏まえて対談させていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
森:
よろしくお願いします。
橋:
ではさっそくですが、世の中ではいろんな土鍋釜が販売されています。
だけどどんな土鍋釜でも絶対うまく炊けるってわけでもないですよね?
専門的に言うとこの「Bamboo」はどこが違うのでしょう?
森:
一般的な土鍋と私の土鍋は、釜の吸水性・熱伝導性・遠赤外線効果が全く違うんです。
橋:
なるほど。どう違うのでしょうか?
森:
まず吸水性の話になるけど、
例えば内なべの吸水性って、高くても低くてもよくない。
一般的な土鍋釜は吸水性が10~15%っていわれてます。
橋:
吸水性が高すぎると、米を炊くときの水を釜が吸ってしまって
炊き上がりの食感が変わってしまいますよね。
森:
そうなんです。ちなみにうちの釜は吸水率は3%なんですよ。
橋:
3%はすごいですね。
森:
中に気泡がいっぱいあればあるほど、耐熱性は高くなるんです。
水を吸うから土自体が安く済むから、安い土ほど気泡が多い。
だから耐熱性を高めるのは簡単で、
市販の土鍋釜はそういう風にして作られているんです。
橋:
だから吸水性が15%もあるんですね。
森:
我々の釜はね、完成した段階、乾燥状態で重さをまず図ります。
その重さと、浸水させた重さを比べるわけですよ。
橋:
そうやって僅かな差での釜をいくつも用意したわけですね。
森:
それも、たまたま3%なんじゃなくて、
様々な吸水性の割合の釜を作って比べましたからね。
0%でも良くないし、7%でもよくない。3~5%がベストな領域だったね。
0%だったらお米がベチャつくことがあるんですね。ちなみにアルミ釜は0%ね。
森:
そして同じくらい、いやそれ以上に大事なのは、遠赤外線放射率。
通常の陶器が遠赤外線放射率60%前後なんですけど、
うちの土鍋釜は最高98%を誇ります。
遠赤外線高価が高くなるセラミック系の素材を織り込んでるわけですよ。
そもそもお米にとって遠赤外線効果は85%以上ないとおいしくなることはないですからね。
橋:
いやぁ、僕もいろんな土鍋釜をテストしましたけど、
この釜は特別にご飯の味が違うなぁと思いましたよ。
これも遠赤外線効果で抜群の数字が結果として、でてるんですね。
森:
三菱さんも「炭釜」っていうコンセプトの電気炊飯ジャーを出したでしょ。
墨のような炭素系の素材って遠赤外線効果が凄く高くてね。
永久に遠赤外線を出し続けるからね。
そういった素材を土に練りこむんです。
橋:
なるほどね・・・
そこは僕もいろいろ特許出願の時に
セラミックの勉強をさせていただきました。
森:
強度も強くて、水も吸いにくくて熱にも強い、
そして遠赤外線放射率の高さ!これが理想ですよね。
橋:
そのような完璧な理想の土鍋釜というのは、どう作るんでしょう。
森:
やっぱりこれも土のブレンド。
様々な土を混ぜ合わせて、吸水性ばっちり、耐熱性も強く、強度もある、
遠赤外線効果を高めるために炭素系の素材も練りこみながら、
絶妙のバランスを目指して土をつくりあげていくんです。
職人として力が入る場面でもありますが、
すごーく地味な作業ではありますよ(笑)
橋:
さすが、土鍋職人ですね(笑)

<土鍋炊飯釜Bambooの秘密>お米が美味しく炊きあがる仕組み

橋:
水をあまり吸わず、遠赤外線効果も高いというのはわかったんですけど、
なぜ他の土鍋と比べて格段と美味しいんですかね?
森:
米のうまさって、火の勢いが影響してるんです。
熱を直接ガンガン伝えれば伝えるほど、釜の中ではの水・米がぐるぐる回るわけですよね。
そこに遠赤外線効果によって余熱でどんどんお米の中に入っていくんです。
これがおいしさの秘訣!
橋:
さらにこの釜で炊いたら、他の土鍋と違って
お米粒にまくがはってるような口当たりがするんですよね。
さらに甘みも増しているし!
森:
そういう意味では、IT炊飯釜も電子レンジ調理の炊飯器具も、
熱の勢いが少ないからあまりお米が踊らない。
橋:
ここまでくると、もう、美味しいお米を追求しようと思えば
ある意味で簡単でもありますよね。
火力を高めれば高めるほど、お米に短時間で一気に集中的に熱が伝わって、
お米の味をたっぷり引き出せる。
森:
そうそう、それともう一つ重要なのは水の変化!
この土は、水を浄化する特殊セラミックをブレンドしているので、
沸騰させるとお水自体の分子が小さくなり、まろやかになる。
そしてお米粒に吸収されやすくなるんです!
橋:
それですよね!だからご飯になったときの口当たりがいいです!!

<土鍋炊飯釜Bambooの秘密>Bamboo開発秘話。そのきっかけは?

橋:
おかげさまで昨年の10月にようやく念願の
「米料亭八代目儀兵衛」を出店することができました。
森:
おめでとうございます。
橋:
ありがとうございます。本当に出店のきっかけはこの釜が完成したので、
できるようになったといっても過言ではないのですよ!
森:
そういってもらえるとなんか嬉しいな! 
ちなみに橋本さん自身は苦労されたところはどこですか?
橋:
そうですね!僕はやっぱり釜の形と厚さとデザインですね!
まず、飲食店でお米を売りにするんやったら、
お客様はそれぞれ好きな時間にばらばらに来られますよね!
森:
そうですね。
橋:
最高のものを形にするのは難しいですよね!
だって完成まで2年半かかっちゃいましたからね!そこを実現したい!
ここがクリアできなければお店のオープンもなかったでしょうし。
最高品質のお米を同じ品質を維持しながら炊き立ての土鍋ご飯として提供したい。
それが釜作りをお願いした理由でもあります。
森:
ゼロから開発すれば、釜の厚さも均等にいくつでも量産できますからね。
橋:
何回もチャレンジした結果が今につながってますよね!
森:
科学的にデータをそろえるだけでなく、
今回は橋本さんの舌によるチェックもありましたからね。
史上最強だと思います(笑)
橋:
やっぱり最後は人間が直接味わうのも大事ですよね。
これには私自身もそうなんですが、
料理長である弟も食味テストをしていますから完璧です。
森:
ところで、なぜ竹の形にされたんですか?
橋:
よく言われる質問なんですが、実は3通りの解釈がありまして、
一つ目は竹って昔、飯盒の変わりに使っていたこともあるんですよ。
僕が中学の頃ボーイスカウトに入っておりまして実際、竹で炊いたことがあるんです。
森:
ほぉー。味はどうでしたか?
橋:
それが竹自体が持っている香りと、水を浄化させる作用があるので超美味しかった記憶があるんですね!
森:
なるほどね!2つ目は何ですか?
橋:
2つ目は、ほとんど知らない人が多いんですが、
竹って実はイネ科なんですよね!
何かとお米つながりで商品開発をしたかったので。
森:
なるほど。私も知りませんでした(笑)3つ目は
橋:
3つ目は、やはりこの釜をもっと世の中の人に
知ってもらいたいなと思いまして・・・
それも世界の人に。
たまたま、同志社大学院のビジネススクール主催の伝統産業グローバル革新塾
というところに僕が所属しておりまして昨年の11月にパリで展示会を
することになったんですね。
その時に世界に発信できる商品として京都と釜をコラボレーションしたら
京都をイメージでき、そしてエコのイメージも強い「竹」のデザイン
というものに辿り着きました。
森:
だからBambooなんですね!
橋:
そうなんです。お米もこれからは国際的に広がっていくもんだと思ったので、
日本名ではなく、世界に通用する京都発信の釜として「Bamboo」と名づけました。
森:
深いですねぇ。
橋:
お米ってそれだけ繊細で難しいもんやと思います。

<土鍋炊飯釜Bambooの秘密>パリの展示会で土鍋釜が大盛況!

森:
そういえばパリのお話されてましたけど、いかがでしたか?
橋:
パリの展示会でも釜は大反響でしたね。
京都からパリに出店された飲食店さんもこられてましたけど、
この釜で炊いたご飯が超おいしいとお褒めの言葉をいただきました。
さらに違う日には、パリで買った日本米の大きさに近いイタリア産の
お米を炊きましたが、この釜で炊くとかなりの粘りとおいしさが出てきて
さすがにこれは現地の在住日本人の方もビックリされてましたね!
ただ残念なことに、パリの現状を申し上げますと、
家庭のキッチンは電気調理機でガス管がないんですね。
森:
そうなんですか・・・
橋:
だからまず、日本食レストランでこの釜を使ってもらい
土鍋ご飯をだしてもらうところから始めてもらおうと思ってます。
森:
それはいいアイデアですね!
橋:
そうしたら食べた人がビックリしてこの釜の宣伝にもなると思うんですね!
森:
世界に発信ですか!
橋:
そうです。お米を流通させるにはまだまだ難しいところがあるので、
土鍋文化というものをヨーロッパで流行らせるのも面白いかなと思いまして。
森:
土鍋文化を広げることが日本のお米をおいしさを
伝えることに繋がるということですか?
橋:
まさしくその通りです。
森:
是非、頑張ってくださいね!私もしっかりと協力させてもらいますんで。
橋:
こちらこそよろしくお願いします。

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